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カスハラ対策のために、薬剤師はビジネスネームを活用できるか?

薬剤師が勤務中に名札を着用することは、薬機法(医薬品医療機器等法)の施行規則に基づく法的な義務です。

厳密には、薬剤師への直接の義務というよりも、「薬局開設者」や「店舗販売業者」に対する義務として規定されています。顧客が従業員の資格(薬剤師、登録販売者、一般従事者)を容易に判別できるよう、開設者には従業員へ名札を着用させる法的責任があります。

氏名に加えて「薬剤師」と明記した名札を着用するか、氏名を記載した名札と「薬剤師」であることを示すバッジ等を併用する必要があります。 登録販売者や一般従事者と、誰が見ても明確に見分けがつく状態にしなければなりません。 名札による区別に加え、白衣の色や形状を変えるなど、衣服による区別を行うことも厚生労働省の通知で望ましいとされています。

カスハラ対策としての表記緩和

従来はフルネーム(実名)での記載が原則とされていましたが、店舗でのカスハラやストーカー被害を防止する観点から、2022年(令和4年)6月の厚生労働省通知により運用が緩和されました。

  • 「姓のみ」や「ビジネスネーム」の許容: 従業員の安全確保のため、フルネームではなく「姓のみ」の記載や、戸籍上の本名とは異なる「氏名以外の呼称(ビジネスネーム等)」を名札に使用することが認められています。
  • 事業者の特定義務: 本名以外を使用する場合、事業者はトラブル発生時などに誰が対応したかを確実に特定できるよう、営業時間中の名札の記載名と実名を照合・管理する体制を内部で整備しておく必要があります。

これにより現場の運用ルールや対応マニュアルを策定する際は、法令順守とカスハラ対策の両立を図る形で名札の仕様を定めることが可能となっています。

カスハラ対策についてより深くお知りになりたい方は、下記書籍を是非ご購入ください。「薬剤師のカスハラへの対処法」(応需義務と調剤拒否について)も記載されています。

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弁護士 能勢 章

この記事を監修した人

能勢総合法律事務所代表弁護士。
私は従業員の精神が破壊されないよう、当事者に寄り添い、事件を解決することで悩みや不安を和らげ、新たな第一歩を踏み出すお手伝いをしたいと考えています。

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