医療従事者には、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、助産師、保健師、公認心理師、管理栄養士、臨床検査技師、診療放射線技師、臨床工学技士、歯科衛生士、理学療法士、作業療法士、義肢装具士、歯科技工士、救急救命士、言語聴覚士、視能訓練士といった職種があるとされていますが、カスハラ対策として、「氏名の掲示」や「名札の着用」についてdのように扱えばいいのでしょうか。
上記の職種について、法令上の「氏名の掲示義務」および「名札の着用義務」の有無で分類すると、以下の3グループに大別されます。
1. 氏名の掲示・名札の着用ともに義務がある職種
- 薬剤師
- 氏名の掲示: ◯(薬機法:薬局内の見やすい場所への掲示義務)
- 名札の着用: ◯(薬機法施行規則:消費者等が容易に判別できる名札の着用義務)
- ※薬局や店舗販売業における規制です。医療機関内の調剤所等においては医療法が適用されますが、実務上は薬機法に準じた運用がなされます。
2. 氏名の掲示義務のみがある職種
- 医師
- 歯科医師
- 助産師
- 氏名の掲示: ◯(医療法:病院・診療所・助産所における、診療/業務に従事する者の氏名掲示義務)
- 名札の着用: ×(法令上の義務なし)
3. 掲示・名札着用のいずれも法令上の義務がない職種
- 看護師
- 保健師
- 公認心理師
- 管理栄養士
- 臨床検査技師
- 診療放射線技師
- 臨床工学技士
- 歯科衛生士
- 理学療法士
- 作業療法士
- 義肢装具士
- 歯科技工士
- 救急救命士
- 言語聴覚士
- 視能訓練士
- 氏名の掲示: ×
- 名札の着用: ×
- ※これらの職種が名札を着用しているのは、法令に基づくものではなく、すべて各法人が定める「就業規則」や「服務規程」による独自のルールです。
現場運用の実務・マニュアル策定における留意点
医療機関におけるカスタマーハラスメント対策として、職員の氏名開示ルール(フルネーム表記の廃止など)を構築する際、上記「グループ3」に属する大多数のコメディカル・技術職については、法令上の制約がありません。
したがって、組織としての安全配慮義務を優先し、以下のスキームを就業規則等に落とし込むことが実務上最もスムーズです。
- 法定掲示と現場表示の分離 医師・歯科医師については、待合室等への法定掲示板のみフルネーム(または旧姓等)で記載し、現場での呼び出しやドアプレート、名札は「名字のみ」とする。
- 大多数の職種(グループ3)の一斉見直し 看護師や各種技師、療法士等については、法令上のハードルがないため、組織の決定のみで即座に「名字のみ」や「ビジネスネーム」の運用へと移行できる。
- 薬剤師の特例の活用 名札着用義務がある薬剤師についても、2022年(令和4年)6月の厚生労働省通知(薬生発0627第11号)により「名字のみ等」の表記が適法とされているため、マニュアル上は他のコメディカル職種と同様の表記ルールに統一して運用する。
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