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BtoB取引におけるカスハラにはどのような傾向があるのか?

 カスハラが生じるのはBtoCの取引だけでなく、BtoBの取引においても生じることがあります。カスハラ対策法(改正された労働施策総合推進法)においても、自社のカスハラ対策・対応だけでなく、他の企業のカスハラ対策・対応(雇用管理上の措置義務)にも協力することも努力義務として定めていますから、BtoBの取引についても対象となると言えます。

 BtoBの取引においては、従業員としては、相手先企業との取引を失うと自社の事業経営に困難な事情を生じさせるのではないかと不安になって、ついつい相手先企業のカスハラを我慢してしまうという傾向があります。企業としては、このようなBtoBの取引における特有の傾向を踏まえたカスハラ対策を講じなければなりません。

 BtoB取引におけるカスハラ事例では、病院職員が医療機器メーカーの従業員に対してカスハラ行為を行ったものとして、令和4年8月30日付長野地裁飯田支部判決があります。同判決では、病院が自院の従業員のカスハラ行為を見過ごしたため、病院に対して、医療機器メーカーの従業員の損害賠償請求が認められました。

 BtoBの取引関係においては、ビジネス上の力関係の差を背景に、自社の従業員がカスハラ行為をしていても相手先企業の従業員が声をあげにくいという特徴があります。企業としてはそうした特徴があることを踏まえて、自社の従業員が取引先企業の従業員に対してカスハラ行為を行わないように、企業としての方針やマニュアルにそうした行為の禁止を記載しておく必要があります。また、被害を受けた取引先企業から要請があったときには、自社内の調査に協力しなければなりません。

 なお、BtoB取引におけるカスハラについては、書籍「『度が過ぎたクレーム』から従業員を守る カスハラ対策の基本と実践」(日本実業出版社)において、具体的な対応方法だけでなく、判例についても詳細に記載しています。もしよければご覧ください。

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弁護士 能勢 章

この記事を監修した人

能勢総合法律事務所代表弁護士。
私は従業員の精神が破壊されないよう、当事者に寄り添い、事件を解決することで悩みや不安を和らげ、新たな第一歩を踏み出すお手伝いをしたいと考えています。

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